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炎上

SCS・特殊清掃ケアサービスの林田です。

「100日後に死ぬワニ」ツイッターで連載されていて話題になっていたのですが、先ごろ連載が終了しました。何気ない日常を送っているのに、死まであと何日となっていることから、人の生死について考えさせられるといった観点で話題になっていました。

連載が終了して大団円になるかと思われたのですが、その後に矢継ぎ早に、書籍化、映画化、グッズ販売、いきものがかりとのコラボ楽曲発表という怒涛の展開によって、炎上してしまいました。電通案件といったキーワードもかなり発信されましたが、作者の方などの談によれば、始めから企画ありきではなく、徐々に賛同者が増えていった結果、こういった展開になったということでした。中にはお金儲けして何が悪いのといった擁護意見も結構ありますが、お金儲けをしていること自体にそれほど批判は無いように思われます。クリエイターの方がこういったことでお金を儲けることは普通のことですので、そこに異を唱えているというよりは、終了してすぐのこの怒涛の展開に白けてしまったというのが実情ではないでしょうか。「死」というセンシティブな問題に対しての切り口が話題になり、自分自身の生死観についても考えさせられる作品だっただけに、それがあっという間に「お金」のニオイにかき消されたことに対して。違和感や嫌悪感が発生してしまったんでしょうね。

特殊清掃の現場は「死」と隣合わせになります。また、これは葬儀業界の方が一番わかっておられると思いますが、ご遺族様へのご対応は非常に気を遣います。葬式には失敗は許されません。冠婚葬祭ということで、結婚式と葬式を両方扱われる業者もおられます。失敗してはいけないのは同じですが、結婚式はおめでたい席ですので、少々の失敗は笑い流せるところもあります。しかし葬式で失敗すると、これは許せないこととして一生刻まれることになります。それほど「死」というものはセンシティブなものなんですね。「100日後に死ぬワニ」の読者の方も、ご遺族的な気持ちで余韻に浸っておられたんだと思います。そこにお金儲けというニオイがして葬式を失敗されたのと同じ気持ちになったのではないでしょうか。「死」というものについて改めて考えさせられた作品ですが、もう少し色々な配慮をして展開してゆかれるのが良かったんでしょうね。これからの書籍化、映画化、グッズ販売が上手くいくかは微妙なところかもしれませんね。

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