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孤独死や孤立死 Archive

もしもの時は、焦らずに…

特殊清掃の仕事をしていると、人の亡くなった現場に関して
一番厳しい現場を知っているのは我々ではないと思い知らされます。
では、いったい誰が凄惨な現場を見ていると思うのか?
その答えは、警察の方々です。
例えばマンションの一室から異臭がする、住人が出入りしている気配もない…
そんな通報を受けて現場に駆け付け、管理者から鍵を預り現場に踏み込むのは警察の方々です。
そこで、時には長時間放置され傷んだ遺体を確認し、
そのご遺体を納体袋に入れ運び出すのは警察の方々のお仕事です。
我々のような特殊清掃のスタッフは、ご遺体と対面する機会はありません。

しかし、時にはイレギュラーなケースで、この現場に鉢合わせることがあります。

ご近所の方から通報を受けるのは、警察だけではありません。
マンションの大家さんであったり、管理会社の方であったり、
住居の管理者に連絡が入ります。

警察の方々や我々特殊清掃スタッフは、こうした現場に慣れているプロですが、
大家さんや管理会社の方にとっては、孤独死は頻繁にあるわけではありません。
そのため、警察に連絡すると同時に「とにかく早く!」と、
我々にご連絡をくださるケースがあります。
本来であれば、警察の方々が現場検証を行い、ご遺体を運び出し、
事件性がないと判断されて、ようやく室内に入ることができるようになります。
しかし、現場検証に予想より時間がかかった場合など、
手違いで、まさに納体袋を運び出す瞬間に立ち会ってしまうこともあります。
正直、我々にとってイレギュラーな場面ですので、びっくりしてしまいます。

ここで、もし万が一、身の回りの方が孤独死された場合、
注意していただきたいことをご紹介します。
臭いや害虫が周囲の住民の方の迷惑になることが気になって、
一刻も早く、特殊清掃作業を行ってほしいと、焦っていらっしゃる方もおられますが
現場となった住宅が賃貸住宅の場合は、管理会社や大家さんにご相談下さい。
どういった施工を誰の責任で行うのか、費用はどうするのか?
そういったことがクリアになった状況でご相談いただいた方が、
我々、特殊清掃業者とのやりとりもスムーズになります。

例えば、お風呂で亡くなられていた場合、
正直なところ、お風呂自体はユニットごと入れ替えなければ使えない状況になってしまいます。
では、お風呂は特に清掃しないままでいいのかと言われれば、
害虫や衛生面から考えて清掃することが望ましいですし、
お風呂場を解体して入れ替える業者は、
人が亡くなり清掃されていない状況では仕事を受けてくれません。
そして、このお風呂の入れ替えの費用を、ご遺族に100%請求するのか、
管理会社と折半にするのか、もしくは、ご遺族には請求しないのか、
これはケースバイケースになってきます。

ご遺族からすれば、大切な人を亡くして、
ただでさえ混乱している中で、日常では思いもよらなかった業者とのやりとりに巻き込まれていきます。

まずは、管理者に連絡、そして、管理者が知っている業者がなければ、
ぜひとも弊社にご相談下さい。
管理者様、ご遺族様、それぞれが納得いく施工をアドバイスさせていただきます。

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紫煙にいぶされて

特殊清掃の仕事をしていてよく遭遇するのが
部屋中、茶色いお部屋です。
天井も壁もドアも家電や壁につられたままの洋服も
とにかく茶色。
この色の原因はタバコの煙です。

特殊清掃のご依頼を受けると私たちはまず
ご遺体のにおいを消す消臭作業をします。
腐敗した体液やご遺体の一部を丁寧に除去すると
一気に室内の臭いは落ち着きます。
さらに、壁や天井に染みついた臭いを取っていくのですが、
この段階で悪臭と感じるのは、ご遺体の臭いよりも、
タバコ臭かもしれません。
10年以上タバコにいぶされた部屋は、
先にも書いたように、とにかく変色していて、
さらに、壁紙をはがしても、躯体に染み込んでしまっています。

幸い、ヤニ汚れ自体はアルカリ洗剤を使うと面白いように落ちていきます。
茶色かった扉が、真っ白になる瞬間はなかなか快感です。
とはいえ、この汚れが体内に入っていたかと思うと、
やはりタバコは控えるべきだなと、ゾクッとします。

そして、見た目はスッキリきれいに仕上げても、
臭いもスッキリ…とはいかないのが、
タバコ汚れの難しさです。

部屋全体を洗い上げて、オゾン燻蒸をし、
ご遺体の臭いは取れた!と達成感を感じつつ、
それでも、ほのかにかおるタバコ臭のしつこさに、あと一歩か…
と、次の一手を考えます。

孤独死された方の部屋の様子を見ると、
こうしたタバコ汚れと大量のお酒はセットでよく見られます。
ストレスを発散してくれる心の友であると同時に、
適量を過ぎれば体の毒になってしまうタバコとお酒。
特殊清掃の現場を知る者としては、
なるべく控えた方がよいのではと思ってしまいます。

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繁忙期なのに…

久々のブログの更新となってしまいました。

特殊清掃のお仕事には繁忙期があります。

特殊清掃は基本的に人がお亡くなりになった現場をきれいにするお仕事で、
それに繁忙期があるのか?と不思議に思う方も多いかもしれません。

繁忙期は、夏。

ここでピンとくる方もいらっしゃるでしょうか?

夏の暑さのため、亡くなってすぐにご遺体が腐敗し、臭いが漏れることで
近所から警察などに知らされて発見されるケースが増えるのです。
もちろん冬に亡くなる方も多くいらっしゃるので、
夏場になって強い臭いが近所に漏れるようになったり、
窓を開ける機会が増え、臭いに気づく方が増えるというケースもあるようです。

今年も例にもれず、6月後半ごろから一気にご依頼が増え、
繁忙期を迎えていました。

一方で、私自身は大変恥ずかしながら
自転車で転んでしまい、足を骨折し休職させていただいていました。
現場のみなさんにはこの繁忙期に大変ご負担をかけてしまい、
心苦しいばかりです。
フォローしていただき、本当にありがとうございます。

本日から復帰し、気持ちも新たに頑張りたいと思っております。
引き続きよろしくお願いいたします。

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「特殊清掃まで必要なの?」

「妹が亡くなったので、掃除をお願いしたいのですが…」

高齢女性からの弱々しい声でご依頼の電話がありました。
ひとりで住んでいた妹さんがお風呂で亡くなったとのことでした。
幸い、発見は比較的早く、ご遺体の状況や現場の臭気等は
そこまでひどくなかったといいます。
それでも、検死を担当した警察からのすすめで、
特殊清掃に入ってもらう方がいいと聞き、
弊社にご相談をしていただけたようです。

現場に伺うと、そこまでひどくはないものの、
確かに亡くなった方の臭いが残っていて、
わずかにご遺体の跡も残っていました。

現場調査に同席して下さった息子さんから、
「浴槽に残っている黒っぽいものは…」と質問されました。
私は言葉を選びながら、
「ショックを受けるかもしれませんが、皮膚の一部です」
とお答えしました。
入浴中に亡くなると、皮膚や筋肉がふやけて、バラバラになってしまうのです。
警察の方もなるべく丁寧にご遺体を運び出してくださいますが、
掃除のプロではありません、どうしても一部が残ってしまうことがあるのです。

その場でお見積りをして、了承を頂き、すぐに作業に取り掛かることになりました。
すると、ご依頼主がほっと胸をなでおろすように、ぽつりとおっしゃりました。
「最初に聞いたときは、怖くて家にも入れなくて…」

年の近い妹さんの死、さらに警察から状況を聞いて、
ショックも大きかったことは想像に難くありません。

聞けば、その後住む予定もなく、
臭いも近隣に漏れるほどではないという状況であったため、
親族から「特殊清掃の必要はあるの!?」と
少し責められていたそうで、
(プロとしての懸念点としては、残ったご遺体の一部を取り除き、
最低限、消毒、殺菌をしておかないと
害虫等の二次被害につながる、とお伝えしました)
この作業を、肉親がするのは酷ですし、
我々に頼って頂いて、お気持ちの面で少しでも負担を軽くできたと思えば、
大変やりがいのあるお仕事でした。

特殊清掃は、費用のかかることですし、
一般の方にはわかりづらいことも多くあります。
こちらもなるべくわかりやすくご説明に努めますし、
もし疑問に思われることや、
今回のように「特殊清掃まで必要があるの?」と思われるケースがあれば
まずはご相談いただければ、しっかりお答えいたします。

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へそくり

孤独死の方やゴミ屋敷状態のお部屋を片付けていて
よく遭遇するのがお金の問題です。
今回は2つのエピソードをご紹介します。

1つ目は、孤独死の方のお部屋を片付けていた時のこと。
大阪市内の中心部からはずれにある、
どちらかといえば古く、狭いマンションの1室が現場でした。
家主は、床に敷いたぺらぺらのお布団の上で亡くなっていました。
幸い、亡くなってから発見されるまで、比較的早く見つかったようで、
臭いや汚れはそこまでひどいものではありませんでした。
しかし、チャバネゴキブリが沢山生息していて、
生前から衛生環境がよくなかったことが伺えます。
そんな、物も多くないお部屋を片付けていると、
封筒に入ったお金が見つかりました。およそ10万円。
封筒は給料袋のようでした。
封筒が見つかった周辺をさらに片付けていくと、
同じように給料袋に入った10万円程度のお金が次々に見つかりました。
さらに、タバコで汚れたエアコンを拭き掃除していると、
室内機の上にまた封筒が…
やはり、給料袋に入った現金でした。
最終的に見つかったお金は、およそ200万円。
質素な暮らしに見えるお部屋と見つかった金額の対比が印象的でした。

2つ目のお話は、ゴミ屋敷状態のお部屋のお片付け。
このお部屋は長く住んでいる方から大家さんに連絡があり、
水道の修理をしてほしいとの事で、業者に行ってもらうと、
ゴミ屋敷状態で足を踏み入れられないと報告があったことで発覚しました。
ゴミ屋敷にはいくつか種類があるのですが、
こちらは生ごみなどはほとんどなく、以前ブログでご紹介した、おしっこ爆弾もなく、
ほとんどが本やDVDでした。
そして、本が積み重なった床をどけていくと、小銭が沢山落ちています。
掃除をするうえでこの小銭が厄介です。
細かなゴミを片付けようとすると、小銭まで一緒に入ってしまいます。
お金を捨てるわけにはいかないので、いちいち仕分けが必要となり、
ただ片付けるよりも倍以上の時間がかかってしまいます。
言い忘れましたが、こちらは住んでいらっしゃる住人さんがいるので、
拾った小銭を渡していくと、10万円以上にはなったようでした。
そのお金が、今回のお片付けの費用の一部になったようで、
結果オーライと言ったところでしょうか。

この仕事をしていると、お宝が出てきますか?
とよく聞かれますが、お宝が出てくるのは1割程度かなと思います。
みなさま、あまり期待されない方がよいかなと。

今回は、お金のお話でした。

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10年間特殊清掃に従事して思う事

SCS特殊清掃ケアサービスの岡本です。

私はこの特殊清掃業界でお仕事をさせていただきまして、早10年になりました。

今まで沢山の現場を清掃させて頂き、同じ現場は2度無いといっても過言では無い。

人間の人生と同じように10人十色といいますか、故人さんも人間で有ったわけで

その人の生き様が現場を物語っているわけであります。

本当に沢山の現場を経験させて頂きました。特殊清掃を始めた頃は感情移入しすぎて

涙しながら清掃したもので、辛くて辞めていくスタッフが多いのがこの業界なのかもしれません。

時には怪奇現象(霊現象)も感じた事も沢山ありました(今は全くありませんが。苦笑)

ストレッチフィルム(巨大なラップみたいなモノ)が急に飛んできて額に当たったり。

遺品の時計の針が急に逆回転して速く回ったり。スクレパー(カッターの刃)が飛んできて額を切ったり。

子供の泣き声がどこからか聞こえて来たり(本当の話)真夏のゴミ屋敷(モノ屋敷)の部屋でクーラーも

ついていないのにすごく冷気を感じたり(練炭自殺現場)とにかく色々ありました。

孤独死や孤立死、殺害現場様々行きましたが、一番辛かったのはやっぱり、自殺(自死)現場でした。

首を吊るロープを架ける為に、長年愛用したであろう(大工さん)ハンマーで絶妙な角度で釘をうって

それでロープをかけた故人さん。

女性の方で迷惑かけたくないから、先に家財道具をすべて引き払って、ぶら下がり健康器と新品の脚立、ちゃぶ台の上には家の鍵と、

脚立の説明書のみがおいてあり、床にはビニールシートを敷いてありました。

腹を包丁で刺して苦しみながらはいずりまわり、家中の至る所に血液が飛び散り、最期はお風呂場で絶命したのでしょう。

血だまりがくっきり包丁の跡になっていました。

コロナ過で仕事が無くてお金も無い状態が続き、賃貸マンションなので迷惑かけないように、河川敷で刃物で自身を

刺し絶命した方の部屋の遺品整理をしていた時のお父さんの悲しそうな顔を思い出します。

離婚して子供たちと会えないのが辛いんでしょうね。子供たちの写真を囲んで練炭自殺した方。何人かいました。

他にも沢山の故人さんの壮絶な最期のお掃除しました。

特殊清掃は決して楽な仕事ではありません。故人さん自身もまさか自分が腐敗して想像していた以上に

身体が腐り腐敗体液でドロドロになるなんて思っていなかったと思います。

絶対その事に対してはどんな現場であれ、私たちが原状回復して、元の状態にしてあげないといけません。

特殊清掃のエキスパートとしてプライドもって従事します。

特殊清掃や遺品整理でお困りの方はSCS特殊清掃ケアサービスまでご連絡お待ちしております。

0120-469-466

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新型コロナウイルス感染症も落ち着いてきました。

SCS特殊清掃ケアサービスの岡本です。

約3年半程前に世界中に猛威を振るったCOVID19(新型コロナウイルス感染症)

日本でもたくさんの人が感染したと思う。私の周りでもあれよあれよと感染していった。

知り合いで3回感染した人もいたほど。私自身か感染した事はないが、私の家族は感染した。

もちろん私は感染症対策のプロとして、手指消毒、うがいを徹底するのはあたり前であり

プロとして感染しては絶対にいけなかった。

日本中でも今も混雑している電車内では、マスク推奨で野外、室内ではマスクは着用しなくてよいと

変わりつつあります。

5類感染症に変わるとだいぶと今までの生活に戻ってくるのでしょうね。

仕事面でも大きな変化はあった。

コロナに感染してそのまま孤独死した現場にも数十件特殊清掃や遺品整理を行った。

コロナで職を失って、仕事が無いのでお金がなく生活を苦に自殺された方の特殊清掃や遺品整理も何件も行った。

言える事はコロナのせいで失う事やモノが多い。

SCS特殊清掃ケアサービスでは、感染症対策のプロとして、コロナ感染者が働いていた職場の除染作業を

毎日のように施工した。スーパーからディスカウントストアや卸売りの会社、薬局、保育園や幼稚園など様々だった。

気密性の高い防護服を着用したまま2時間除染作業は、本当にきつかったものです。

その除染作業依頼も徐々に減っては来ているのは、本当に良い事だと思います。

早く前のようにマスクもしなくていい生活に戻れますように。

SCSでは孤独死、孤立死、自殺、事件現場の特殊清掃や新型コロナウイルス感染症に羅漢された方の職場や

自宅の除染作業を行っております。お問合せスタッフ一同心よりお待ちしております。

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2022年も終盤

いよいよ2022年も終わりですね。
私自身、今年9月から特殊清掃という仕事を始めて、
多くの現場を経験しました。

同じ現場に1週間程度通うことも多く、
亡くなった方が生きた場所や時間を少しだけ共有したような、
不思議な気持ちにもなりました。

そして、当たり前のことですが、
人生は人それぞれだと、強烈に感じました。
一人で暮らすことになった理由も、
子どもが手を離れたことだったり、
配偶者に先立たれたことだったり、
自ら望んでそうしたケースもあるでしょうし、
不本意ながら一人で暮らしていた方もいたかもしれません。

特に印象的だったのは、
まだまだ元気な年齢だったからこそ、
突然、命を失い、
心配して定期的に連絡をくれる人がおらず、
長い時間亡くなったまま放置されてしまったケースです。

部屋は人を招くような状況ではなく、
生活感がしっかり残っている中で
特殊清掃を行い、部屋を片付けていくことは
その方の生きた痕跡を消していくようで、少し心が痛みます。
それでも、写真などでその方が楽しく暮らしていた様子をうかがい知れると、
少し安心します。

私たちの仕事は、できればない方がいい仕事ですが、
ゼロになることは無く、誰かがしなければいけない仕事なのだと、
実際に仕事を始めて痛感しています。

依頼していただいた方はもちろん、
亡くなった方にも、思いが届くような仕事をしていけたらと考えています。
本年はありがとうございました。
来年もよろしくお願いいたします。

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普通に生活していれば無いゴミ屋敷と汚トイレ

先日、入社して初めて、「汚トイレ」の清掃をしました。

「汚トイレ」とは何か?
ゴミ屋敷と呼ばれるお宅の多くは、リビングやキッチン、風呂、トイレにいたるまで
ゴミであふれかえり、それぞれの部屋の役割分担がなくなる状態になっています。

浴槽もゴミが占拠して入浴することはできませんし、
便器にもゴミがあふれかえり、用を足すことができません。
そうなるとどうなるのか?
無理やり用を足そうとすると、便は便器をはみ出て、
トイレの床に積もっていきます。
ここまで読んであまり想像したくない状況が浮かんだかと思います。
「汚トイレ」は、便器はゴミであふれかえり、さらに尿石や便がこびりつき
その周りにも便やゴミの混ざった物が積み重なった状態です。

これをどうやって清掃するのか?
あまり気の進む作業ではありませんが、
ご依頼に応えるためにはそうも言っていられません。
まずは昔ながらの手法ですが、酸性のトイレ用洗剤をたっぷりとかけ
その上からキッチンペーパーなどで湿布し、時間を置きます。
その間に、上部のタンク部分などを洗剤で丹念に磨いていきます。
垂れた洗剤でふやけた床の便がふやけてくれば、
こそげ取ることもできるようになります。
(汚い話で申し訳ありません)

そして、満を持して便器をこすってみると…
ペロンとあの頑固そうな尿石や便のこびりつきが、気持ちよく取れていきます。
弊社ではサンポールを使用していますが、
昔からある洗剤の偉大さをここで改めて感じます。
とはいえ、残ったこびりつきは、
粗めのスポンジでこそぎ取っていく必要があります。

床のこびりつきも、洗剤とスチーマーを駆使して、
ふやけさせこそげ取り、さらに残った汚れをぞうきんで
何度も何度も磨き上げます。

狭いトイレ(しかもかなり汚れている)の中で
こうした作業を繰り返すことは、なかなかしんどい作業ですが、
作業を終えて、ピカピカになったトイレを見る時の喜びは、
なかなかのものです。

このように、普通に暮らしているとなかなか遭遇しない状況ですが、
この仕事をしていると、不思議と同じような状況に出会います。
家を通常ではありえない状況に汚してしまう、
そして、それには一定の型がある。
ある状況に置かれると、
人は「汚トイレ」を生み出す精神状態になってしまうのかもしれない。
少し怖い事ですが、こういった現実と向き合いながら、
できれば「汚トイレ」を生み出す人が少ない世の中になってほしいと願っています。

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ゴミ屋敷の特掃

先日、とある閑静な住宅街の特掃の依頼が舞い込みました。
依頼者は、亡くなった方の親族で、亡くなったのはその方々のおじにあたります。

現場に着くと、その一軒家は外観からして異様な雰囲気を漂わせていました。
庭の木々は伸び放題で、建物の外観にも大きな損傷があり、
一歩間違えば崩れてしまいそうです。
聞けば、もともと依頼者のおばあさんとその息子であるおじさんが二人で暮らしていたそうで、
15年以上前におばあさんが亡くなって以来、
親族も家には入ったことがなかったそうです。

まずは庭の木々をかき分け建物へと近づきます。
さっそく、大量の蚊に襲われ、さらに油断すると伸び放題の枝に頭をぶつけます。
やっとたどり着いた玄関は、どういうわけか開きません。
縁側の雨戸を開くと、その理由が分かりました。
どうやら、家全体をひざくらいの高さまでゴミが覆っているのです。
おじさんは、おばあさんが亡くなった後、
いわゆるセルフネグレクトの状態になったようで、
新聞、雑誌、コンビニで買ったお弁当ガラ、ペットボトル、などのゴミを溜めこみ、
最後には、そのゴミに埋もれるように亡くなっていました。
大量のゴミの中に、黒っぽく変色している部分があり、
おじさんが亡くなった場所だと分かりました。
わたしは、手を合わせ、依頼主のところへと戻りました。

ご遺体の臭い自体は強くありませんが、亡くなったあと腐敗している状況があり、
衛生面の問題があるので、その部分のゴミの撤去と消毒の必要があることをお伝えしました。
依頼主のご意向で、ひとまず亡くなった部屋とその隣のおばあさんの部屋のゴミの撤去を行うことになりました。
2部屋分とはいえ、ゴミは2トントラック3杯分にはなろうかという量です。

作業を始めると、近隣の方からよく声をかけられました。
外観が大きく損傷したこのお宅、数年前の台風で一部が崩れ、そのままになっていたようで、
近隣の人も気になっていたようでした。

まずは、亡くなれた部屋から清掃を始めます。ゴミに埋もれて亡くなっていたため、
汚染範囲がわかりません。そのため、まずは、亡くなられた場所から離れた部分のゴミを回収して、
汚染された部分へと向かっていき、汚染範囲を確認します。
床が見える程度まで片付けていくと、2008年の新聞が見つかり、
この時期からセルフネグレクトが始まったことがわかりました。
そしていよいよ汚染部分の清掃に入ります。汚染部分は、二人がかりで作業します。
汚染範囲を広げてしまったり、汚染部分を必要以上にふれないように注意が必要だからです。

ゴミ屋敷の撤去、そのゴミの量に圧倒されるだけでなく、体力にもなかなか大変です。
特におばあさんの部屋はひざの高さどころか、肩ほどの高さがあり、
下の方のゴミを引っ張り出そうとしても、上からの圧がかかっていて、まったく出てこないのです。
ゴミは見えているのに、なかなか回収できず、少しずつ少しずつ崩していくしかなく、根気のいる作業です。

2日間、のべ6人がかりで2部屋の清掃を終えることが出来ました。
今後、相続等の話が決まれば、家を解体する予定で、
またゴミの撤去を行う必要が出てきそうです。
(内部に残置物があると家の解体は出来ないのです)
このあたり、詳しく知りたい方はぜひ、ビーアライブまでご連絡ください。

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