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紫煙にいぶされて

特殊清掃の仕事をしていてよく遭遇するのが
部屋中、茶色いお部屋です。
天井も壁もドアも家電や壁につられたままの洋服も
とにかく茶色。
この色の原因はタバコの煙です。

特殊清掃のご依頼を受けると私たちはまず
ご遺体のにおいを消す消臭作業をします。
腐敗した体液やご遺体の一部を丁寧に除去すると
一気に室内の臭いは落ち着きます。
さらに、壁や天井に染みついた臭いを取っていくのですが、
この段階で悪臭と感じるのは、ご遺体の臭いよりも、
タバコ臭かもしれません。
10年以上タバコにいぶされた部屋は、
先にも書いたように、とにかく変色していて、
さらに、壁紙をはがしても、躯体に染み込んでしまっています。

幸い、ヤニ汚れ自体はアルカリ洗剤を使うと面白いように落ちていきます。
茶色かった扉が、真っ白になる瞬間はなかなか快感です。
とはいえ、この汚れが体内に入っていたかと思うと、
やはりタバコは控えるべきだなと、ゾクッとします。

そして、見た目はスッキリきれいに仕上げても、
臭いもスッキリ…とはいかないのが、
タバコ汚れの難しさです。

部屋全体を洗い上げて、オゾン燻蒸をし、
ご遺体の臭いは取れた!と達成感を感じつつ、
それでも、ほのかにかおるタバコ臭のしつこさに、あと一歩か…
と、次の一手を考えます。

孤独死された方の部屋の様子を見ると、
こうしたタバコ汚れと大量のお酒はセットでよく見られます。
ストレスを発散してくれる心の友であると同時に、
適量を過ぎれば体の毒になってしまうタバコとお酒。
特殊清掃の現場を知る者としては、
なるべく控えた方がよいのではと思ってしまいます。

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